私たちの生活は、自分自身が「動く」ことで成り立っています。ヒトが動くということはどのようなことを示すでしょうか? 心臓が動く、指が動く、脚が動く、眼が動くなど、からだの様々な器官が協調して働くことで、全身の動きが生まれ、身体活動がおこります。さらに身体活動によっていろいろなものが生み出され、人々の活動が相互に影響することで社会が成り立ちます。
人間情報学系は、2007年に健康医工学系として始まり、2019年から現在の名称に変更しました。健康、医療、工学の融合から始まったカリキュラムも、ヒトの健康を考えるため「スポーツサイエンス」、「スポーツトレーナー」の分野が加わり、さらにヒトの「情報」に関する専門領域を加えたカリキュラムに進化しました。
人間情報学系のねらい
本学系では、身体に関する多様な情報を精確に理解し、多角的に処理できる技能を体得していくことを目指します。特に、ICT(Information Communication Technology)を中心とする情報処理技術を基盤に、身体から得られる幅広いデータを活用し、スポーツ、健康・医療、情報、工学の分野で活躍できる人材に成長していくことが大きな目標です。
人間情報学系での学び
世界ではIoT(Internet of Things)が普及しつつあり、さらには健康・医療の情報処理に特化したIoB(Internet of Bodies)の可能性も伝えられています。そこで、本学系のカリキュラムは、実際に自分の身体にセンサーを装着してデータを取得し、分析する授業など、理論の学習にとどまるのではなく、自らが積極的かつ実践的に学習できる構成となっており、アクティブな学びが体験できるものとなっています。
人間情報学系での資格取得とその後
本学系では、「身体情報分野」、「医療情報分野」の2つのコースが設けられています。前者は主にスポーツや健康科学を学び、後者は医療情報、医療工学を学びます。その学びから社会へはばたくまでのひとつのマイルストーンとして実社会で役立つ資格取得への道が用意されていることも本学系のカリキュラムの特長と言えます。具体的には、学系共通では「健康管理能力検定」、「MOS試験(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」の取得、スポーツ分野での「JATI-ATI」(日本トレーニング指導者協会によるトレーニング指導者)の受験指定校であることに加え、さらには医療情報分野での「医療情報技師能力検定試験」や「ME技術実力検定(第2種)」の受験を目指すことができます。こうした多様な資格取得に向けた学習を通じ、健康の保持増進に関わる指導者やスポーツトレーナー、病院などの医療機関や医療関連企業で活躍できる人材を育成します。
人間情報学系から教員へ、さらに学部から大学院へ
教育職員免許状の取得を目指すこともでき、中学校(一種)は、数学、理科、技術、高等学校(一種)は、数学、理科、情報、工業の教員資格を取得することができます。
学系での学びをさらに高めるものとして、2019年度からは大学院工学研究科において、「スポーツパフォーマンス分析士(SPAS)」(一般社団法人スポーツパフォーマンス分析協会)資格取得のための認定校となり、大学院での学びによって上位資格を取得することが可能となりました。
本学系の教員は、理論と実践的な学習と資格取得から目標とする進路へ進めるように、講義だけでなく様々な行事を通して、ヒトとヒトとの繋がりを大切にするコミュニケーション能力を身につけ、有能な人材に育つことを願っています。人間情報学系で一緒に成長していきましょう。
プロフィール

和田 匡史 わだ・ただし
- 静岡県掛川市出身
- 1994年
- 国士舘大学 体育学部 体育学科 卒業
- 1995年
- 筑波大学 体育専門学群 研究生 修了
- 1997年
- 日本体育大学 大学院 体育学研究科 体育学専攻 修士課程修了
- 2006年
- 徳島大学 大学院 医学研究科 生理系専攻 博士課程修了、博士(医学)
- 1998年
- 日本体育大学 助手
- 1999年
- 徳島文理大学 専任講師
- 2005年
- 徳島文理大学 助教授
- 2007年
- 国士舘大学 理工学部 准教授
- 2013年
- 国士舘大学 理工学部 教授
- 2016年
- スタンフォード大学 医学部 客員教授
- 2017年
- 国士舘大学 大学院 工学研究科 電気工学専攻(修士課程) 教授
- 2020年
- 国士舘大学 大学院 工学研究科 応用システム工学専攻(博士課程) 教授
- 生理学
- バイオメカニクス