法学を学ぶことについて、英単語を暗記するように、決まっていることを暗記することだと思っている人がいますが、決してそのようなことはありません。
人間社会において、トラブルの発生は不可避なものです。トラブルを合理的に解決するには、一定の基準・手続きに従って、利害の対立や紛争のポイントを整理し、対立している人達の言い分を公平に聞き、納得のゆく理由付けを伴った決定をすることが求められます。その際に役立つセンス、いわゆるリーガル・マインドを身につけることが、法学部4年間の学びであると考えています。
トラブルの解決方法の一つに裁判があります。裁判は、法律という基準にしたがって、裁判官が対立している当事者双方の言い分を公平に聞きながら、裁判官と当事者双方が対等な立場で紛争のポイントを整理し、さらにそのポイントについて議論を展開し、最終的に裁判官が結論を出すという、理性を持った人達が議論を通じて合理的な結論を出す場であると言うことができるでしょう。この流れを学ぶことによって、問題解決能力、論理構成力などを修得することができるのです。これらの力のことをリーガル・マインドと呼んでいるわけです。
法律を学ぶことを通じて、社会・ビジネスの場で必要とされる問題解決能力、論理構成力といったリーガル・マインドを身につけるとともに、それらの能力を、自分が正しいと思うことを実現するために使う強い意志、すなわち気魄をもった人間に育ってもらいたいと思っております。
プロフィール

飯塚 真 いいずか・まこと
- 早稲田大学 博士課程 研究指導終了退学
- 2006年4月~2009年3月
- 静岡英和学院大学 人間社会学部 准教授
- 2009年4月~2011年3月
- 国士舘大学 法学部 准教授
- 2010年4月~2011年3月
- 国士舘大学大学院 総合知的財産法学研究科 准教授
- 2011年4月
- 国士舘大学 法学部教授 就任(現在)
- 2011年4月
- 国士舘大学大学院 総合知的財産法学研究科 教授 就任(現在)
<所属学会等>
- 日本金融学会
- 信託法学会
- 日本私法学会