2021年12月01日
経営学部創設10周年記念シンポジウムを開催しました
経営学部は、平成23年の創設から本年をもって10周年を迎え、11月23日には、世田谷キャンパス中央図書館地下多目的ホールで「SDGsと中堅・中小企業」をテーマに記念シンポジウムを開催しました。大澤英雄理事長、佐藤圭一学長をはじめ、教職員や歴代の学部長らが列席するなか、経営学部の全学生が参加し、経営学部の成り立ちと存在意義を確かめ、分かち合う機会としました。当日は、新型コロナウイルス感染症対策として入場制限を行い、Zoomを用いた遠隔で配信・受講する措置を講じました。
経営学部教務主任の田中史人教授の司会進行のもと、まず大澤英雄理事長があいさつし、「世界では、環境問題や貧困問題などさまざまな諸問題が山積している。国士舘の教育理念でもある他への献身を身に付けた人材の養成は、SDGs(持続可能な開発目標)にも結び付いており、目標を達成するために最後までやり遂げることが大切」と述べました。
続いて佐藤圭一学長が、経営学部設置の経緯を説明し、「経営学部の理念には国士舘の黎明期に尽力した渋沢栄一が唱えた、道徳と経済の合一説の考えが起点にある」と紹介。「渋沢栄一が共感した国士舘建学の精神と経営哲学を基礎とし、世界で活躍できる人材を養成していきたい」とあいさつしました。
次いで、経営学部創設10周年記念実行委員会委員長の井岡大度教授が経営学部の歴史と特色ある取り組みを紹介しました。
その後は、SDGsに積極的に取り組む中堅・中小企業、公益法人などの担当者による講演およびパネルディスカッションを実施しました。
基調講演では、CSR(corporate social responsibility=企業の社会的責任)に特化したコンサルティングやリサーチ、研修プログラムを行うCSRアジア日本代表の赤羽真紀子氏が、事業内容のほかSDGsについて解説しました。赤羽氏はSDGs誕生の背景には、2000年から2015年までの目標であったMDGs(国連ミレニアム開発目標)があり、一定の成果をあげたものの根本的な解決に至らなかった反省からSDGsが生まれたことを説明しました。また、「MDGsでは国際機関、政府、NGOだけに限られていたがSDGsでは企業や教育機関、個人にも対象が広がったことで世界規模で注目されることとなった」とし、「SDGsのほか、サステナビリティ、エシカル、ESGなどさまざまな取り組みがあるが、これらで目指していることは一貫して誰も取り残されない世の中をつくり、社会課題を全員で考えていくことであり、一人一人が自身で何ができるか考えてほしい」と述べ締めくくりました。
続いて、伸和コントロールズ株式会社代表取締役社長・山本拓司氏、石坂産業株式会社専務取締役・石坂知子氏、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン パートナーリレーションズ部長・兵頭康二氏、特定非営利法人ウォーターエイドジャパン事務局長・高橋郁氏がそれぞれ講演し、所属企業・団体でのSDGsの取り組みを紹介しました。
パネルディスカッションでは、講演者全員が登壇し、赤羽氏のコーディネートのもと、本シンポジウムのテーマである「SDGsと中堅・中小企業」を中心に、SDGsに取り組む意義や課題、今後の展望を中心に意見を交換しました。SDGsに取り組んだメリットとして、「地元の方々に良い活動をしている会社として認知された」「社会貢献の文化が会社に根付いた」「社会的な信頼が高まる」などがあげられました。その一方で問題点として、中小企業では財源の確保が難しいことや、どの分野に注力すべきかなどの議論が交わされました。最後には登壇者から学生に向けて、「周りの評価等をうのみにするのではなく、自分自身がやりたいことをしっかり考えて行動してほしい」「失敗から学ぶことも大切」「社会課題を解決するためにも前提となる社会潮流を知ることを心がけてほしい」などのメッセージが送られました。
質疑応答では学生から質問が投げかけられるなど活発な意見交換が行われました。
大澤理事長のあいさつ
佐藤学長は渋沢栄一を紹介しながらあいさつ
井岡教授のあいさつ
司会を務めた田中教授
CSRアジアの赤羽氏
赤羽氏の講演の様子
伸和コントロールズの山本氏
石坂産業の石坂氏
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの兵頭氏
ウォーターエイドジャパンの高橋氏
パネルディスカッションの様子
会場の様子