2020年12月22日
柔道金メダリスト・ヘーシンク氏の五輪応援ポスターを受贈
1964年東京五輪のオランダ代表・柔道無差別級金メダリストで本学名誉博士の故アントン・ヘーシンク氏のご遺族および同氏と親交の深い今野充昭氏より、東京オリンピック・パラリンピック(東京2020大会)への応援ポスターが本学に贈られ、12月16日に世田谷キャンパスのメイプルセンチュリーホール1階の「国士舘スポーツの殿堂」に設置されました。
ヘーシンク氏とゆかりのある本学に五輪の成功祈願を託したいというご遺族の意向を汲み取った今野氏は、遺族から提供された往時を偲ばせる写真を使い大判1枚と小判2枚の布製ポスターを製作。本学への寄贈にあたっては、今野氏の知人を介して本学政経学部・永冨隆司教授のもとへ大小合わせて2枚が届けられました。
今野氏はオランダ在住で、オランダオリンピック委員会の情報担当官を務め、東京2020大会に向けた同国チームの日本での合宿地の事前調整などにあたりました。
退任後もオリンピックの開催と成功のために奔走し、今回の来日の折には菅義偉首相に直接ポスターを手渡されたとのことです。
佐藤圭一学長は「このような形で再び、ヘーシンク氏の日本と五輪への熱い心に触れることができた。幾多の困難を克服した証しとする復興五輪の実現を後押ししていく」と述べるとともに、ヘーシンク氏の偉功をたたえました。永冨教授は「20年を経て、ヘーシンク氏と本学との縁を再び結ぶお役にたてことはうれしい限りです」と感無量の様子でした。
アントン・ヘーシンク氏は、柔道が正式競技として初めて採用された先の東京五輪で、外国人としては初の金メダルを獲得。優勝の瞬間に畳に駆け上がろうとする自国の指導者を手で制したヘーシンク氏の行動は、強さだけでなく礼節を重んじる武道精神を体現したものとして高く評価され、今も語り継がれています。引退後は柔道の普及活動を通じてオランダと日本の文化交流・友好関係の促進に力を注ぎました。平成12年に本学は、柔道を教育学や生態学的見地から研究しその普及・発展に尽力したとして、同氏に対し国士舘大学名誉博士の学位を贈呈しました。
国士舘スポーツの殿堂に設置のポスターとともに。左:佐藤学長、右:永冨教授
柔道着は、本学が2000年に同氏へ名誉博士学位を授与した際に贈呈したもの。胴衣と帯には「国士舘」「ヘーシンク」と刺しゅうの文字
1964年東京五輪の柔道決勝で神永昭夫選手と対戦するヘーシンク氏。往時を偲ばせる
ポスターを観覧し、ヘーシンク氏について歓談する学長(左)と永冨教授(右)
