2019年12月12日
東京2020応援プログラム講演会「日本近代スポーツの礎を築いた男・岡部平太の生涯」を開催しました
本学は12月11日、東京2020応援プログラム講演会「日本近代スポーツの礎を築いた男・岡部平太の生涯」を世田谷キャンパス中央図書館地下多目的ホールで開催し、在学生、教職員、近隣住民ら約300人が来場しました。
この講演会は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を前に、本学教授でもあった岡部平太の人物像に迫り、日本におけるスポーツのあり方を考え、さらには国士舘に与えた影響などを知ることを目的としたもので、「Peace Hill 天狗と呼ばれた男 岡部平太物語」の著者でもある作家の橘京平氏が講演しました。
作家の橘京平氏とは、株式会社西日本新聞メディアラボの取締役・加茂川雅仁氏と同社チーフライター・田中耕氏の共同ペンネームで、司会進行を務めた本学体育学部の田原淳子教授の紹介を受けて両氏が登壇しました。
講演では、岡部平太の生涯を振り返りながら、精神論が根強かった当時のスポーツ界ではまだ珍しかった科学的なアプローチによる指導方針、「スポーツは争うものではなく競うもの」という生涯を通じて持ち続けた信念、さらに岡部平太が10年にわたり本学で教鞭をとっていたエピソードや本学に与えた影響などが語られ、会場を埋め尽くした参加者らは熱心に耳を傾けていました。
講演開始から1時間半が経過した頃、体育学部在学中に岡部平太から直接薫陶を受けた大澤英雄理事長が登壇しました。大澤理事長は「サッカー部創設まもない頃、日が暮れてボールが見えなくなるまで練習するのが当たり前という風潮の中、岡部先生は『スポーツの裏付けは科学だ』と常々述べておられた。岡部先生なくして、指導者としての自分は存在し得ない」と述べ、自身に与えた影響の大きさについて語りました。また、当時の大澤理事長による直筆ノートがスクリーンに映し出される場面もあり、身を乗り出すようにして壇上に視線を注ぐ聴衆の姿も多く見られました。
大澤理事長を交えた講演者3人は、最後に「2020大会を目前に控えた今この時代こそ、まさに岡部平太の考え方が広く世に知られるべき」と結び、講演は大盛況のうちに幕を閉じました。
講演者の橘京平氏こと田中氏(左)と加茂川氏
司会進行の体育学部・田原教授
大勢の聴衆が詰めかけた会場の様子
貴重な写真や秘蔵音声などを織り交ぜて講演する田中氏・加茂川氏
岡部平太の教え子の一人として登壇した大澤理事長
岡部平太の教えを書き記した当時のノートも公開
大澤理事長の体験談を聞く田中氏・加茂川氏
左から田中氏・大澤理事長・加茂川氏