2018年11月22日
体育学部創設60周年記念講演を開催しました
体育学部創設60周年の記念講演会が、11月17日と18日の2日間にわたって、多摩キャンパスA棟201教室で開催されました。記念講演会は2部から構成され、第1部は大澤英雄理事長が17日に、第2部はアテネオリンピック金メダリストでスポーツ科学者の室伏広治氏が18日にそれぞれ講演を行い、両日ともに学生・教職員ら約300人以上が聴講し、立ち見が出る大盛況となりました。
大澤理事長は「体育学部60年を振り返って」と題して講演し、体育学部の第1期生として今に伝えたい思いを熱く語りました。
中学時代にサッカーの面白さにのめり込むようになり、いつしか指導者への道を夢見るようになったこと、縁あって国士舘大学への入学を果たしたことなど、サッカーとの出合いと本学入学までの経緯をまず紹介。その後「国士舘大学サッカー部」を創部し、時折グラウンドの入口に立ち、練習の様子を眺める男性から「君たちは弱い」と指摘されたのが体育学部・岡部平太教授との出会いだったと語り、以後、練習時間が長いことや勝つことを大前提に取り組むべきであることなど当時の日本のスポーツ指導とは逆の考え方を助言され、それに従ってチームをつくり上げていったことなど、サッカー部創部の経緯や若き日の岡部氏との交流の思い出を振り返りました。
大澤理事長は、岡部平太氏との出会いによって、アスリートとして、指導者としての考え方・あるべき姿を学んだと話し、そのうえで「今日(こんにち)データに基づくコーチングは常識だが、データはあくまでも『実践』を裏付けるものであり、データありきではない」と強調しました。最後は「勝利にこだわること」について、その必要性を会場いっぱいになった聴衆に強く語りかけ、講演を結びました。
続く18日には、室伏氏が「大学スポーツの未来」と題して講演しました。
室伏氏は講演の前半で、自身と同じくハンマー投げ選手であった「父(室伏重信氏)の教え」として、「スポーツにおいて練習は、正しい努力を正しい方法で行わなければ意味がない」ことを具体的なエピソードを交えながら説明。スランプに陥った際、当時まだ珍しかった8ミリビデオで自分のフォームを客観的に見て改善してきた父の影響を受け、自身が現役での活動と並行してスポーツ科学の研究を継続してきた経験を中心に語りました。時代ごとの新しいテクノロジーも取り入れながら、科学的・客観的に自身のフォームを追求し続けてきた道のりを、当時の映像なども含めつつ詳細に解説しました。
講演の後半では、自身も組織委員会のスポーツディレクターを務める東京2020大会に関連して、オリンピックの理念や各組織委員会の成り立ち、ボランティアの重要性や現状などをあらためて熱っぽく説明。最後に「大学には一流の先生がたくさんいるので、学部やキャンパスを超えて積極的に関わり、多くを吸収してほしい」と学生を激励しました。
この記念講演会は「 体育学部創設60周年を祝う会 」とともに体育学部創設60周年を記念して行われたもので、2日間にわたって多摩祭と同時開催されました。
本学サッカー部創設までの道のりを語る大澤理事長
岡部平太教授の教えから多大な影響を受けたと熱く語る
講演が進むにつれて熱を増していく会場
2日間に渡って立ち見が出た大盛況の会場の様子
「大学スポーツの未来」をテーマに語る室伏氏
客観的で科学的な研究の重要性を語った
4度の五輪出場経験を持ち組織委員としても活躍する室伏氏
参加者の質問に答える様子