2024年02月14日
【世田谷区連携事業】日本語支援に関わる学生実習報告会が行われました
世田谷区と本学との連携事業として今年度実施した日本語支援に関わる実習報告会が1月30日に世田谷区教育総合センターで行われ、世田谷区と本学の関係者約35人が出席しました。
実習報告ではまず、区立小学校に通う外国人児童への日本語教育支援を実施した人文科学研究科博士課程1年の張琢月さんが、支援内容や4カ月にわたる支援での対象児童の様子を説明しました。張さんは「同じ境遇にいる留学生という立場で支援するのは有効であり、支援活動の重要性を感じた。この取り組みが継続性を伴ったものになることを祈る」と活動を振り返りました。
次に、世田谷区の梅丘中学校帰国・外国人教育相談室で6日間の実習を行った文学部教育学科教育学コース3年の千田正剛さんと山口玲奈さんが実習報告をしました。
教科学習の補習を主な目的とする水曜教室では、区内中学校から月に2~3回程度、外国人生徒が集まります。千田さんと山口さんは、生徒の日本語の習得レベルに合わせた指導の様子を見学したほか、ソーシャルスキルや進路指導など多面的な支援が行われている現場に触れ、自らも高校受験のための面接指導を行うなど、実習で得た内容を発表しました。2人は、対象生徒が担当講師等に普段の学校生活の相談をするなど、外国人生徒が安心して通える場としての役割も担っていることを実習を通して学びました。
この実習は社会教育主事資格を取得するために必要な実習として位置付けられたもので、同資格取得を希望する1・2年生が報告に真剣に耳を傾けていました。
報告会の最後には同相談室の坂本尚子室長と宮本正彦相談員が講評し、今回の活動の成果を振り返りました。宮本相談員は「生徒らが自分の意思で日本に来ているわけではないという境遇を理解すること。その上でどう接するか、相手が何を期待しているかを考えてどう関係を構築していくか、お互いに良い勉強になったと思う。今回の経験を学生生活に生かしてほしい」と話し、坂本室長は「世田谷区の帰国・外国人の児童・生徒らのために、これらの事例をもとに今後も相互協力していきたい」と締めくくりました。
張さん
千田さん
山口さん
学生発表の際に司会を務めた林隆之介さん(文学部3年)
発表を聞く梅丘中学校帰国・外国人教育相談室の坂本室長と宮本相談員
質疑応答の様子