2022年12月20日
「病院前救急医療研修プログラム(エジプト・日本教育パートナーシップ)」の全日程が終了しました
日本とエジプト国の円借款貸付契約による「人材育成事業(エジプト・日本教育パートナーシップ)」(保健分野)を受けた「病院前救急医療研修プログラム」の最終となるエジプトの救急救命士ら第4期生による研修が12月16日に終了し、同日世田谷キャンパスメイプルセンチュリーホール5階会議室で修了式が行われました。
修了式には、佐藤圭一学長をはじめ防災・救急救助総合研究所の島崎修次所長のほか、駐日エジプト大使館のモハメド・アブバクル・サレー・ファッターフ大使ら大使館の関係者などが列席しました。
はじめに、モハメド・アブバクル・サレー・ファッターフ大使が本学のさまざまな支援に対して感謝の言葉を述べた後、研修生らに「皆さんはエジプトの医療分野を背負って立つ存在。今回の研修で学んだことをそれぞれの職場、ひいてはエジプトの医療発展のために尽力してほしい」と激励しました。
続いて本学から、佐藤学長が「2カ月間で学んだことを母国で大いに生かしてほしい」と呼びかけ、島崎所長は「コロナ禍のため多くの制限があり大変だったことも多かったはず。今回の経験をもとにエジプトでの新しい病院前救急医療システムを構築していただきたい」と期待を込めました。
その後、佐藤学長から研修生一人一人に修了証が手渡された後、2人一組による研修生の最終プレゼンテーションが行われ、研修成果をもとにしたエジプト国内での救急医療システム構築に向けたさまざまな方策が発表されました。
すべての発表が終わると防災・救急救助総合研究所の副所長で本プログラムを統括した田中秀治体育学部教授が講評し、「今回のプログラムを通じて日本の救急医療システムはもちろん、外傷や熱傷、内科や産科などさまざまな医療分野での実践的な学びを体験し、知識や技術は向上したと感じる。日本では昨年の救急救命士法の改正で、救急救命士の活動範囲は大きく広がっており、エジプトでもあらゆる面において改善を進めてほしい」とエールを送りました。
最後に研修生を代表しリーダーを務めたイサムさんが「とても充実した研修となり、支えていただいた多くの方への感謝の気持ちでいっぱい。今回の研修で培ったことを母国での発展に繋げたい」と、感謝を述べるとともに、今後の活躍を誓いました。
本プログラムは、日本とエジプト政府間で2016年に締結された「エジプト・日本教育パートナーシップ(EJEP)」に基づき、エジプト国と本学が業務委託契約を結ぶもので、今回の研修で一連のプログラムが終了となりました。2018年の開始以降、本学は4年間で4度にわたりエジプト国の医師約10人、救急救命士約30人を受け入れました。研修は本学防災・救急救助総合研究所が担当し、研修プログラムは、講義・実習のほか、東京消防庁の視察や医療機関での現場実習、本学を含む救急救命士養成機関の見学など、フィールドワークも多く取り入れた実践的な内容で、研修生らは日本における病院前救急医療の指導法などを多岐にわたり学びました。
関連リンク

修了式の様子(会式前には研修を振り返った記念ビデオが上映)
モハメド・アブバクル大使によるあいさつ
佐藤学長によるあいさつ
修了証授与
最終プレゼンで成果を発表する研修生ら
田中副所長による講評を聞く様子
研修生らから佐藤学長へ記念品が贈られ記念撮影
研修生代表あいさつをするイサムさん